こんなにある!ヨガの呼吸法いろいろ

呼吸はヨガでは大切な要素ですが、呼吸法はひとつではありません。

ポーズや流派によって呼吸法は実に様々です。

ここでは、ヨガの呼吸法で代表的なものをご紹介します(代表的なものでもかなりの数があります)。

丹田呼吸(たんでんこきゅう)

丹田呼吸は、おへそから握りこぶし一つ分程度下にある丹田を意識した呼吸法です。

最初は口をとがらせて丹田から絞り出すような気持ちでゆっくりと息を吐きます。

そのとき息を吐き出すにつれて、お腹がへこみ腹筋が少し硬くなるのを感じながら、お腹と背中をくっつける気持ちでゆっくりと最後まで息を吐き切ります。

次に、息を吸うときは、丹田を膨らませるようにして息を大きく吸い込みます。

これを繰り返しますが、肩の力を抜いてリラックスして行うのがコツです。

丹田呼吸をすることで、インナーマッスルが鍛えられ、若々しい姿勢を保ち、元気よく前向きに生きる意欲を高めてくれます。

腹式呼吸(ふくしきこきゅう)

空気をゆっくり深く吸うと、肋骨を広げずに肺が大きく広がり、広がった肺に押されるようなかたちで横隔膜が下がります。

その横隔膜にお腹が押されて膨らみます。

これが腹式呼吸の原理ですが、日常生活にこれを取り入れることは、意識しないとなかなか難しいものです。

意識をおへそに集中させ、鼻からゆっくり息を吸い込み、肺の下部に息を満たします。

その後、お腹を強く引き締めて息を吐き、横隔膜が肋骨のほうに引き上げられます。

これが具体的な腹式呼吸のヨガにおけるトレーニングです。

内臓のマッサージ効果から、冷え性や便秘、生理不順などに効果があります。

腹式呼吸は一般にリラックスできる効果もあるため、イライラやストレスで悩んでいる人にはとくにおすすめです。

胸式呼吸(きょうしきこきゅう)

肋骨の前進後退運動で肺を圧迫し、空気を出し入れする呼吸方法が胸式呼吸です。

胸式呼吸の特徴は、姿勢がよくなることです。

胸で息を吸おうとすると、体が肋骨を引き上げようとするので、胸が自然と張ります。

このとき、肩甲骨のまわりを固めず、肩に力が入らないように背中も広がるイメージを保つことがポイントです。

そうしないと、背中全体が反りすぎて、腰椎に負担をかけることになります。

猫背の状態ではあまり息を吸い込めないので、意識しないと姿勢が悪くなりがちなところを、胸で息を吸うと姿勢が自然に矯正される効果があります。

また、肋間筋などの胸の筋肉がストレッチされるため、胸のあたりがスッキリし、心身ともにシャキッとすることにもつながります。

それゆえにストレス解消の効果もあると言えます。

完全呼吸(かんぜんこきゅう)

お腹から胸、肩、のどまでを意識して、肺の下部、中部、上部すべてを使う呼吸法が完全呼吸法です。

具体的には、腹式呼吸、胸式呼吸、肩式呼吸を順に行います。

さらに、胸とお腹の境目である肋骨の一番下あたりを意識し、そこを膨らませるようなつもりで息を吸います(吸えなくても吸おうとする)。

そして、ゆっくりと息を吐きます。

その際、大事なのは呼気がどこに入っていくかを意識する点です。

肺に最大限の空気を入れるため、肋骨が広がって横隔膜がほぐされ、横隔膜が大きく上下することで内臓マッサージの効果もあります。

また、ゆっくり息を吐き出すことで、全神経と心臓の運動を鎮めます。

血圧を下げて消化を促進させると同時に、深呼吸と同様、精神をリラックスさせることもできる呼吸です。

ハタ呼吸(はたこきゅう)

ハタのハは太陽、タは月を意味します(その逆とする場合もあります)。

左右の鼻で呼吸することで、体内における陰(月)と陽(太陽)のバランスを整える呼吸法です。

やり方はまず、右手の親指を右の小鼻、薬指と小指を左の小鼻に当て、人差し指と中指は軽く眉間(第3の目)を押さえます。

次に、右ひじを左手で支えて安定させたら、両鼻から息を吐き切り、その後、自分に合った呼吸を始めます。

一般に右の鼻から吸う呼吸は体を冷やすと言われています。

元気がないときは、右の鼻から息を吸うと体に活力がみなぎってきます。

また逆に、興奮していて落ち着かないときは、左の鼻から息を吸うと心が穏やかになり、落ち着くことができます。

火の呼吸(ひのこきゅう)

火の呼吸は、短時間でエネルギーを高める強力な呼吸法です。

より短時間に神経系、内分泌系、そして胸に強く働きかけます。

この呼吸法の基本は、鼻呼吸になります。

それによって動く横隔膜の周辺には自律神経が密集していますが、呼吸の激しい動きが刺激となって、自律神経の乱れなどが整います。

1分間に200回程度という驚異的なスピードで行うため、腹筋まで鍛えられます。

ペースの速い呼吸法なので、吸気と呼気の間隔を途切れさせることなく、断続的に力強く行います。

息を吐くときにへそを背骨の方向に素早く引き、胸部はリラックスして行うことが重要です。

最初は座った姿勢で火の呼吸を練習し、慣れてきたらさまざまなポーズに火の呼吸を適用させていきます。

まずは3分を目標に火の呼吸を行い、十分楽にできるようになったら本格的なエクササイズに移ります。

カパーラバティ(かぱーらばてぃ)

カパーラバティとは「光る頭蓋骨」という意味です。

肺や頭の空気が換気され、スッキリする効果があるのがカパーラバティ呼吸法です。

背筋を伸ばして座り、お腹に力を入れて瞬間的に引き締め、鼻から空気を抜きます。

自然に自分の行いやすいリズムで行えばよいですが、最終的には1分間に120回ほど行えるのが理想です。

しかし、高度で危険性も高いため、完全呼吸法や腹式呼吸法を自然にこなせるぐらいでないとおすすめできません。

この呼吸法を行なっているときに、首や肩などが力んできたり、気分が悪くなるようなら、まだこの呼吸法をするためのペースができていないということです。

練習するときも、信頼のおける先生など、誰かに見てもらいながらやるようにしましょう。

バストリカ(ばすとりか)

バストリカとは、鍛冶屋が鉄を鍛えたり加工したりするときに火を起こすのに使う「ふいご」のことで、これで炎が強くなることから由来した、内臓の働きを活性化させる呼吸法です。

主に、内臓器官に効果的な呼吸法になります。

まず、背筋をまっすぐ伸ばし、鼻から素早く「フン」と鳴らしながらお腹を引っ込め息を吐きます。

息を吐き終わったら、お腹を膨らませながら素早く息を吸い込み、この呼吸を早いテンポで数回繰り返します。

その後、ゆっくりと息を吸い、あごを引き締め、のどを閉じてお腹を硬くして息を止め、さらにゆっくりと息を吐きます。

ここまでを1セットとし、30秒ほどの休みを入れながら、計4セット行います。

気管支が強くなることで、喘息などの症状が改善されると言われています。

シータリー(しーたりー)

シータリーとは「熱を冷ます」「冷却」という意味で、この呼吸法は心身の気を鎮め、体温を下げ、リラックスする効果があると言われています。

上半身をリラックスさせて、息をすべて吐き出したら、舌を筒状に丸めて口から出し、ストローで吸うようなイメージで「シィー」と音を立てながら、ゆっくり息を吸っていきます。

冷たい空気を口から取り入れ、温かい空気を鼻から排出します。

鼻で呼吸をすることが多いヨガの世界では珍しく、口で息を吸う特殊な呼吸法になります。

実際にやってみると、舌に冷たい感触が残り、10回ほど繰り返せば体内が冷たい状態になります。

蒸し暑くて頭や体がほてっているときなど即効性があり、眠気も取れ、頭もはっきりします。

さらに、血液を浄化し体内をリフレッシュさせてくれます。

マントラ呼吸(まんとらこきゅう)

マントラ呼吸とは、すべての意識を言葉を放ちながらの呼吸に集中させることで雑念を追い払い、心をクリアにする方法です。

呼吸とマントラとを組み合わせながら、深く呼吸し、意識を高めていきます。

マントラとは言葉、あるいは呪文のようなもので、呼吸に変わって意識を集中させる焦点の役目を果たします。

他の呼吸法とは違い、呼吸に集中する代わりに、2つの音に集中します。

息を吸うときは「アー」、吐くときは「オーム」と頭の中で唱えます。

「オーム」とは宇宙の根源的な協和音であり、音叉の響きを真似した音です。

そして、頭の中で唱えた2つの音の響きを聞き入れて、己の心の声に耳を傾けます。

大切なポイントは、音に集中すること、心を一転にとどめる技能を養うことです。

ウジャイー(うじゃいー)

ウジャイーは、胸式呼吸の一つで、呼吸によって気の流れをコントロールする呼吸法です。

ウジャイーとは、力の支配を意味することから、「勝利の呼吸」と呼ばれることもあります。

息を吸うときも吐くときもお腹をへこませた状態で、口は閉じたまま舌先を巻きます。

鼻から入った空気が通る喉の後ろのほうの気管を細くするイメージで、腹圧を高めて行います。

吸う、吐くの長さは均等にします。

喉の奥を空気が通っていく音がスゥー、スゥーと聞こえ、それに集中することで、さらに意識が高まります。

この呼吸法を実践すれば、毎呼吸、空気を吸っていることを意識でき、入ってくる空気を細めた気管で温めて、体内の至るところへ送り込むことを実感として認識できます。

また、温めた空気を各器官に送ることで、内臓系の器官の活性化にもつながっていきます。





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